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所沢のソウルフードに新しい風!—老舗焼きだんごから醤油焼きそばまで−

100年続く所沢焼きだんごの老舗「山口屋だんご店」

焼だんごといえば、所沢の人々にとって馴染み深い地元の味。香ばしい醤油に、しっかりした食感の焼きだんごは所沢のソウルフード。昔は数多くあっただんご屋さんも今では数が少なくなってしまいました。今回は、所沢焼だんご店の中でも1番古く、100年の歴史がある山口屋だんご店を訪れました。

だんご

山口屋だんご店の店主、金子初江さんは3代目。小学生の頃からだんご屋のお手伝いをしていたそうで、だんごを焼いてなんと60年!

もともと、所沢は水の少ない土地だったために水田がなく、代わりに畑で稲を育てる陸稲(おかぼ)が盛んだったそう。しかし、陸稲はパサパサしていてあまり美味しくなかったことから、それを米粉にし、お団子として作り始めたことが所沢焼きだんごのはじまりだとか。そのお団子を旅人に出したところ、とても喜ばれたことから所沢の地に焼き団子が根付くこととなったのです。

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さて、所沢焼だんごにはどこのお店でも品質を一定にするため、明治時代からの8か条があるのです。
① 1串4個、両端2個は1寸、中2個は8分
② 竹串は青竹、5寸5分
③ 醤油は所沢さんのヤマホ醤油に限る。(深井醤油)
④ 包むときは必ず経木で包む。
⑤ だんご焼の炭は「消し炭」を使う。
⑥ 隠し味とし1割の酒を混入すること。
⑦ 2本で一皿、3銭。
⑧ 毎月5日は久米の水天祭り。参拝帰りには子持ちだんごの大サービス。

現在は、値段は変わっているものの、それ以外は守られているそう。

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さて、店内の奥にはお弟子さんの姿も。柴田誠大さんは所沢焼だんごの味に魅せられて、山口屋に弟子入り。将来は自分のお店を持つことが夢だそう。こうやって、山口屋の焼だんごの味が断たれることなく、若い世代によって引き継がれていくことを知り、所沢焼きだんごを愛するものとして嬉しくなりました。

深井醤油を3度つけて出来上がり。

深井醤油を3度つけて出来上がり。

米粉ならではのしっかりした歯ごたえと、濃いめのお醤油味の味わいが食欲をそそります。1本と言わず、2本、3本。かく言う筆者も幼少期に所沢に住んでいたせいか、所沢焼きだんごへの思いは深く、久しぶりのこの味に小さな頃の記憶がよみがえってきました。

◆info◆
山口屋だんご店
所沢市上新井3-22-30
04-2926-5882
営業時間:10:30~15:30
定休日:月曜日、火曜日

所沢の地で脈々と続く醤油づくり、だけじゃない!町おこしも発信する老舗「深井醤油」

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所沢の高層マンションが立ち並ぶ街並みから1本入ると、深井醤油があります。この地で歴史と伝統を守り続ける老舗の深井醤油店はなんと創業安政3年。160年以上続く醤油の蔵元とあり、立派な醤油蔵も健在。敷地内には醤油とたまり漬けの専門店が併設されています。

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店舗の中にはずらりと醤油、醤油、醤油。

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かつおだし醤油に、こんぶだし醤油、蔵出し醤油に、丸大豆醤油…。

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山口屋だんご店で使用していた上級ヤマホもありました!
ちなみに深井醤油は「ヤマホ醤油」と呼ばれています。初代の名前が保平(やすへい)さんということから、この「保」の字の上に山の図形を組み合わせたものが屋号となっています。

店内では醤油の味見もすることができます。お醤油によって、味がこんなに違うとは!料理によってお醤油を使い分けるのが楽しくなりそう。

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そして、こちらで気になったものを発見!焼きそば醤油?
焼きそばはソースじゃないの!?

そうです!これが、所沢の新ソウルフードになりつつある「ところざわ醤油焼きそば」の醤油なのです。聞けば、「ところざわ醤油焼きそば」の誕生はこの深井醤油さんが絡んでいると知り、取締役であり深井醤油のご子息である深井隆正さんにお話を伺いました。

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創業大正15年の製麺会社、見澤食品さんがから、ぜひ何か所沢を盛り上げるものを一緒に作りましょうという話があったことが始まりでした。この地で育った深井さんも、所沢に根付く企業として、町おこしをどうにかしたいと考えていたそう。そこで、見澤食品、深井醤油、日本料理店・新むさしで「ところざわ醤油焼きそば」を考案。3月に新むさしにてスタートしたところ、6月にはなんと25店舗に!現在は40店舗以上のお店で「ところざわ醤油焼きそば」を扱っているんだとか。

現在の所沢醤油やきそばの3か条はこちら。
① 所沢産の醤油を使用すること。
② 所沢産の麺を使用すること。
③ 所沢の野菜を1品以上使用すること。

この3つのルールを守るだけで、あとの調理方法はお店にお任せ。そのため、所沢産のパプリカを使用しオリーブオイルで炒めたイタリアン焼きそばや、所沢のパクチーを使用したアジアン風の焼きそばなど、バリエーション豊かで、お店それぞれの個性を生かしたところざわ醤油焼きそばが味わえるそう!

焼きだんご、うどんに続く所沢のソウルフードの誕生。老舗の企業が力を合わせて所沢に新しい風を吹かせる取り組み、かっこいいです!

◆info◆
深井醤油株式会社
所沢本店
埼玉県所沢市有楽町7-5
電話:04-2924-2015
営業時間:9:00〜17:30、年中無休
http://www.yamaho.co.jp/

ところざわ醤油焼きそば、1号店!地元に愛され続けている日本料理店「新むさし」

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深井醤油から数分歩いたところに日本料理店「新むさし」があります。なんと、創業明治18年。所沢の地で、料亭を営んでいたこちらのお店、現在は小澤夫妻が自分たちの手の届く店内をと、こじんまりとした居心地のよい食事処となっています。

そしてここが「ところざわ醤油焼きそば」1号店。というのも、地元の人々の集うこちらのお店。お酒を楽しんでいる時に、醤油焼きそばを作ってみようということになったそうです。こちらのお店で試作品が作られ、焼きそば醤油も生み出されたとか!

早速、元祖「ところざわ醤油焼きそば」を作っていただくことに。もちろん、ヤマホの焼きそば醤油に、所沢の野菜を使用しています。

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醤油の香ばしい香りがたまりません!早速、いただきます!

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紅しょうがの代わりにヤマホ醤油のたまり漬けしょうが。お味は、醤油ならではのコクがありつつも、さっぱり飽きのこない味に、白いご飯まで食べたくなりました。これは、朝から食べても重くない!
元祖1号店の味を食べに地元以外の遠方からこの味を求めて、お客さんが来るそうです。

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笑顔も優しいお父さんとお母さんの「新むさし」。1号店ならではの、元祖「ところざわ醤油焼きそば」を味わいに来てみてください。もちろん、焼きそば以外のメニューも豊富。夜はお酒もゆっくり飲めるのでとても居心地がよく、ついつい長居をしてしまいそう!

◆info◆
新むさし
埼玉県所沢市元町21-17
04-2922-4634
営業時間:11:00~13:30、17:30~
定休日:月曜日

(スピンオフ動画はこちら)

text by 佐藤めだか
photo by Medaka Sato