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新しそうで古い街、和光市は歴史的建造物の宝庫だった ~和光市景観選~

和光市は東京都の県境にあり東武東上線で池袋まで十数分。東京のベッドタウンとして発展してきた新しい街というイメージがありますが、実は歴史的な価値の高い古い建造物が残っているところでもあります。そんな和光市の知られざる一面を見てきました。

このあたりの歴史は古く、奈良時代頃に渡来人の集団が移り住んで白子川一帯の土地を開拓していったのがはじまりなのだそうです。そのため、はじめは新羅(しらぎ)郡という名前が付けられ、のちに新座(にいくら)郡と呼ばれるようになったそうです。一説によれば、和光市の地名のうち、白子(しらこ)は新羅がなまったもの、新倉は新座が転じたものだと言われています。

300年前の農家を再現、新倉ふるさと民家園

新倉ふるさと民家園

はじめに訪れたのは、新倉ふるさと民家園。和光市駅から歩いて10分ほど、下新倉の閑静な住宅街の一角にあります。こちらは、およそ300年前の江戸時代中期に建てられた農家「旧冨岡家住宅」を移築・復元したもので、和光市の景観10選にも指定されています。

門をくぐると大きな茅葺き屋根の古民家があります。屋根のてっぺんには花が咲いているように見えます。これは「くれぐし」といって、痛みやすい屋根のてっぺんを風雨から守るために、土を入れて植物を根付かせた昔の人の知恵がつまった造りなのだそうです。
中に入ると広い土間があります。農機具の手入れなどいろいろな作業をするための場所だったのでしょう。明るい照明はありませんが、開け放した扉から外の光が入り、風が吹き抜ける心地よい空間です。

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かまどと囲炉裏もありました。囲炉裏は毎日、火をいれており、かまども行事があると実際に煮炊きをしているそうです。実は囲炉裏の煙は虫除けにもなるそうで、煙の臭いが染みこんだ建物の中には、扉を開け放していても虫が入ってこないのだとか。 003.jpg

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もともとこの建物は現在、外環道になっている少し離れた場所にあった農家でした。30年ほど前、外環道の工事で土地が提供される際に、部材に解体して保存していたものを2004年に現在の場所で復元されました。解体前は囲炉裏の位置が変わっていたり、壁を設けて部屋を増やしたりされていましたが、江戸時代の姿を再現するために屋根も茅葺きに戻して現在の姿で復元されたそうです。

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新倉ふるさと民家園は、ふるさとの伝統文化を学び継承する場としても役立てられています。七夕や十五夜といった季節の行事の他、わら草履編みをするふるさと工房、わたの木を栽培し綿を作るわた工房、歴史講座などが開催されています。コマや竹馬といった昔のおもちゃもあって、庭で遊ぶこともできます。
写真コンクールもあるそうなので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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◆info◆
新倉ふるさと民家園
〒333-0844 埼玉県和光市下新倉2-33-1
TEL:048-467-7575
http://niikura-minkaen.o.oo7.jp/
開園時間:
4月~9月 午前9時~午後5時
10月~3月 午前9時~午後4時30分
休園日:水曜日、毎月第4木曜日及び第4金曜日(休日を除く)、年末年始(12月28日~1月4日)、その他臨時休園(荒天、保守点検等)
入園料:無料

戦国時代までさかのぼる?川越街道の白子宿

次に訪れたのは川越街道の白子宿の町並み。川越街道の歴史は古く、戦国時代に太田道灌が川越城と江戸城を結ぶために整備したという説もあります。宿場である白子宿も江戸時代以前までさかのぼることができるそうです。
現在は国道254号線が川越街道と呼ばれていますが、江戸時代の川越街道はこれとは違い、近くに細い旧道として残っています。

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成増側から国道254号線を行くと、八坂神社という小さな神社のところで右に入るのが昔の川越街道です。白子川に架かった白子橋を渡ると昔の白子宿。この辺りは江戸時代の面影はちょっと分からなくなっています。

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クリーニング屋さんの前を左折したあたりから道に勾配がついてきます。県道109号線を渡ってさらにまっすぐ進むと、坂道の右手に昔ながらの古い建物が見えてきます。

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こちらは佐和屋さんといって、昔は荒物屋(雑貨屋)を営んでいたお店。建物自体は明治時代に建てられたものなのだとか。今でも人が住まれているところなので、中の見学などはできません。こちらも和光市景観10選に選ばれています。

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佐和屋を過ぎると大坂と呼ばれるS字の急な坂に差し掛かります。白子宿から新倉方面へは山越えの道になっていて、現在では山を切り通して真っ直ぐな道路を整備していますが、昔はできるだけ坂のゆるやかなところを選んで道を付けていたようです。それでも、歩くとなかなか骨が折れる坂道です。
成増駅から和光市駅まで歩いて40分くらい。昔の旅人をしのんでウォーキングをしてみるのもいいかもしれません。

◆info◆
白子宿 周辺
〒351-0101埼玉県和光市白子2丁目14

1000年以上の歴史がある熊野神社

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白子宿近くにある熊野神社にも行ってきました。白子宿の背後にある丘の中腹にある神社です。その歴史は1000年以上といわれ、古くから白子村の氏神として篤く祀られてきたそうです。現在の社殿は昭和のはじめ頃に再建されたもの。こちらも和光市景観10選に選ばれています。

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住宅街の真ん中にぽつんと神社の空間が現れます。周りを豊かな緑に囲まれていて、どこか落ち着いた気持ちにさせてくれるところです。また、このあたりは湧き水が豊富なところでもあり、神社に隣接する青龍寺不動院には滝行ができる「不動の滝」があるそうです。

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そして興味深いのは富士塚。関東地方の農村では富士山信仰が盛んで、富士塚というミニチュアの富士山を作ることがあったのだとか。こちらの富士塚はなかなか大きく、登るのもちょっと大変です。しかし、登って見える景色はなかなかのもの。神社の屋根も下に見えます。

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隣接するコミュニティセンターでは、昔の白子宿のジオラマがあったり、『靴が鳴る』『雀の学校』で知られる和光市ゆかりの童謡詩人、清水かつらの資料が見られたりします。こちらも立ち寄ってみたはいかがでしょう。

現代的に見える街もよく見れば歴史を感じさせるものがたくさんあるのですね。和光市で埼玉の歴史を探訪してみてはいかがでしょう。

◆info◆
熊野神社
〒351-0101埼玉県和光市白子2-15-50
http://shirako-kumanojinja.wixsite.com/kumajin
TEL:048-462-8581

◆info◆
白子コミュニティセンター
埼玉県和光市白子2-15-51
TEL:048-468-1567
開館時間:9時~21時30分
休館日:月曜日・12月29日~1月3日