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上尾には情熱を持った人たちがつくるこだわりの王国があった

『スパイス王国』で工場見学

上尾駅前から車で20分ほど、森や畑など緑に囲まれたのんびりとしたところに井上スパイス工業の「スパイス王国」はあります。とうがらし風の風車が目印です。工場とは思えない白壁の建物で1階が工場、2階がオフィスになっています。

「ナマステ~」
と迎えてくれたのは、『スパイス探検隊長』の井上和人さん。本当はこの会社の創業会長です。「アホになって挑戦する」がモットーの井上隊長。添加物を入れない体にやさしいカレーを作ったり、工場見学や年に1度のカレー祭などを行って開かれた工場を目指したりと新しいことに挑戦してきました。こう見えてとてもすごい人なのです。

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この日は特別に隊長自ら工場をご案内くださいました。
まずはカレールゥ作りを見学します。見学者がいる廊下からは、工程ごとに分かれた部屋が順序通りに並んでおり、ガラス張りで中の様子がよく見えます。
まずは煮込みの工程。材料を混ぜて煮込んで行きます。カレールゥ作りでもっとも大事な工程です。基本の材料は、油、塩、香辛料、小麦粉。厳選した材料のみを使い、添加物や化学調味料は使っていません。1日で600キロ、18000食分を作れるそうです。
続いて乾燥室。18~19℃でルゥを乾燥させていきます。合成着色料を使っていないので、原料の成分の違いがルゥの色にそのまま表われるのが特徴です。トレイごとに色が違うのがよく分かります。
続いて、ルゥを細かく砕いてフレーク状にして袋詰め。最後は人の手で丁寧に箱詰めされて、商品のできあがりです。

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カレールゥだけでなく、いろいろな種類のスパイス商品も作っています。小瓶に入った「ちび丸シリーズ」は、いつもフレッシュな状態で使い切れるように小分けされた商品です。この日、製造されていたのは「おろしにんにく」。ベルトコンベアに沿って、次々と小瓶に詰められていきます。

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敷地内のスパイスタウンには、工場で作った商品の直売所とカレーが食べられる飲食店が入っています。実はこの建物、タイヤが付いたトレーラーハウスなのだとか。

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上尾名物『アッピーカレー』や『北本トマトカレー』といったご当地カレーに混じって、イスラム教徒の人でも安心して食べられる日本初ハラール認証付きの『幸カレー』も並んでいます。材料までしっかり審査したオーガニックのカレーなので、イスラムでない人にも安全安心で美味しいカレーです。

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カレーショップでは、2種類のルゥが選べる『まんぷくカレーセット』をいただきました。選んだのはちょっと辛めのチキンカレーとマイルドなキーマカレー。「おいしい」と思ったら、ルゥを買って帰って家でも作れるのがうれしいところです。
カレーのテーマパークのように楽しく過ごせる「スパイス王国」。ぜひ一度訪れて、カレーを味わってみてください。

◆info◆
井上スパイス工業株式会社
埼玉県上尾市上野491-1
(JR高崎線上尾駅西口バス20分『平方小学校前』下車 徒歩5分)
TEL:048-725-9641
■工場見学(所要時間20分)
平日 10:30~、13:30~(土曜は不定休)
無料、要予約(0120-72-9641)、4名以上から実施
■スパイスタウン
10:00~17:00(飲食提供時間 11:00~15:00)
休み:年末年始・夏季休業期

現代的な街に残る宿場町の痕跡

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続いて、上尾の駅前に戻ってきました。東口と西口の両方にロータリーがあり、大きなビルが立ち並んだにぎわいのある駅前です。埼玉県西部に密着した丸広百貨店も見えます。
とても現代的に見える上尾ですが、江戸時代には中山道の上尾宿として栄えた伝統ある街でもあります。ビルの谷間にひっそりと建つ氷川鍬神社。今では昔の名残りを見つけるのも難しくなっていますが、このあたりが上尾宿の中心だったそうで、道を挟んで向かいには大名が泊まる本陣もあったのだとか。

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もうひとつ、歴史を伝えるのが遍照院という室町時代から続くお寺。境内の「孝女お玉の墓」には悲劇的な言い伝えが残っています。
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米飴が決め手のカステーラ 菓匠つくも

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遍照院からすずらん通り商店街をまっすぐ進んで踏切を渡ると、右手に見えて来るのが「菓匠つくも」。昭和40年代の創業で、現在のご主人は二代目とのことです。

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こちらの名物は、全菓博名誉総裁賞を受賞した『極品カステーラ大一品』。長さが25cmにもなる大きなもので、厳選した原料と熟練の技で作り上げた逸品です。原料は、たまご、砂糖、小麦粉、米飴のみ。温度や湿度によって水の分量を塩梅する職人ならではの細かな感覚が生かされています。

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一番のこだわりは、佐賀嬉野産の米飴。どろっとした黄金色の米飴は、お米のでんぷん由来の甘すぎない上品な甘さが特徴です。甘さが主張しすぎることなく、素材そのものの味をうまく仲良く引き出してくれるのだそうです。カステーラを食べてみると、確かにたまごの味がふんわりと口の中に広がるのを感じます。

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こちらのカステーラは冷蔵庫ではなく常温で保存するのがよいのだとか。日が経つにつれ、果物が熟すように少しずつ味が変わっていくのが楽しめるそうです。やはり、添加物を使わないお菓子は生きているんでしょうね。

もうひとつ、『栗最中』もおすすめです。栗あんに国産の栗をまるごと一個入れた贅沢な逸品で、上尾市観光協会推奨品でもあります。栗あんはこだわりの国産栗ペーストを使っており、他のペーストでは出せない味の濃さが特徴になっています。東京や京都へ行けば400円以上はするだろうという、原料にこだわった栗最中。税込み262円はお値打ちです。

駅を降りたときには、どこにでもある現代的な街のように見えた上尾ですが、よく探してみると上尾ならではのものがたくさんありました。それぞれ形は異なっていても、こだわりと情熱を持った人たちがつくる特別なもの。そのこだわりへ触れに上尾を訪ねてみませんか。

◆info◆
菓匠 つくも
埼玉県上尾市柏座1-10-6
TEL:048-775-7805
極品カステーラ大一品 1斤 1851円(税込・箱入り)
栗最中 1個 262円(税込)